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2018年2月1日発行 月刊・商業界「ブランディング・テレワーク」

      2018/10/22

働き方改革と業績向上を売るものと売り方を変えて実現

職場環境を整えることを成長戦略に据え、“働き方改革”の成功事例として注目される企業がある。創業107年、岡山市の石井事務機センターは、時代と共に売るものを変え、売り方を変えて成長し続けてきた。同社の事業革新とブランディング実践を取材した。

“「働く」に笑顔を!”という経営理念を掲げ、「笑顔あふれるワークスタイル創造提案業」を事業内容とする石井事務機センターは、従来の事務機器販売業の枠を超えた事業を展開する。その革新性とブランディングが評価され、ブランド・マネージャー認定協会が主宰する「2017年度ブランディング事例コンテスト」で大賞と中小企業特別賞の二冠を受賞した。

元気が湧く赤が配色された会社の扉を開くと、「ワークスマイルラボ」と書かれた大きな赤いパネルが目に飛び込んでくる。モニターが設置され、働く従業員の笑顔が次々と映し出されている。ここでは、後述する「ワクスマ」を見学に訪れたお客との記念撮影が恒例となっており、写真は来場記念と訪問企業のPRを兼ねフェイスブックにアップされる。

売れるものを変え 売り方を変える

ビジネスモデルの特徴は大きく二つある。

一つは「売るものを変える」こと。単に事務用品やOA機器を販売するのではなく、中小企業のICTトータルサポートや、経営のよろず相談も請け負うことで“より良い働き方の提案”を商品とした。IT活用などをサポートしながら、必要な複合機やオフィス家具、OA機器、事務用品の販売を行う。

もう一つは「売り方を変える」こと。同業他社では事務所への“訪問営業販売”が一般的なスタイルだが、自社への“来社体験販売”に切り替えた。自社をショールームとして従業員のワークスタイルそのものを商品とした、実際に見て体感してもらえるサービス「ワクスマ」(ワークスマイルラボの略語)を行う。この二つの組み合わせることで、新たなビジネスモデルを確立した。

ショールームでは、同社が取り扱うものが実際に使用されている。例えば、全ての書類を電子化したことで美観と作業効率をアップした。社内の無線化やワイヤレスヘッドセット、採光ブラインド、モチベーションアップのためのアロマセラピーなど、自社が取り入れて成功した事例を実際に見てもらう。また日々、従業員がモニターとなって商品の使用感や効果をフィードバックして改善に努めている。

「ワクスマ」に訪れたお客には、ショールームの全体レイアウトと使用機器が表記された紙が手渡される。見学をしながら、気になる取り組みにチェックをしていく仕組みだ。

販売の重点をハードの事務機器よりもソフトに重点を置き、お客に役立つ情報を伝える。「弊社と同規模ほどの50人以下の中小企業を顧客ターゲットに、経営方針やこれまでの取り組み、ビジネスモデル、売上げ推移まで明かした情報も開示します。それにより、お客さまの経営目標に対して何が必要なのか、具体案を持って提示することができます」と、四代目で代表取締役の石井聖博さんはいう。

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エントランスに設置された赤いパネルは、来場者に視覚的なインパクトを与えている。一貫性のある企業ブランドイメージが伝わってくる

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笑顔あふれる、明るく見通しの良い社内。平均年齢31歳と若い人材が活躍する。ワクスマに訪れることで日常の様子を体験することができる

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文房具・事務用品は共通の備品として管理する。5Sを取り入れて快適なオフィス環境を提供する事例の一つとなっている

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オフィス環境は誰が見ても分かりやすいよう工夫を凝らす。備品管理をするために必要な事務用そのものが営業ツールになる

従業員の満足度向上で 経営危機から脱却

創業は1911年。曽祖父の石井哲司さんが岡山市で文具卸とノートの製造販売を始めた。従業員を100人も抱えるほどに成長したが、戦災により全てを失う。戦後の混乱により土地を占領され移転を余儀なくされるが、二代目が営業を再開。三代目が社長に就任すると、経済発展に伴って事務用機器の需要が急速に高まった。OA機器の販売、事務用品のデリバリーサービスにより売上げを伸ばす。

しかし2000年ごろをピークに、事務用品の通販企業に押され業績が下がり始めていく。大学を卒業後、東京で働いていた聖博さんは06年に入社。当時は、従業員が一週間に一人入れ替わるほど社内の士気は下がっていた。

09年、突然、社長(現会長)から会社の経営危機が告げられるが、聖博さんは母のためにも経営を引き継ぐことを決意。金融機関に返済猶予を依頼し、経営再建に着手。とにかく資金繰りに苦労した。10年には黒字化したものの、11年に資金ショートを目前に土地を売却することでなんとか乗り切った。そのころには、主力従業員のほとんどが退社してしまっていた。

12年には、中小企業を対象にパソコンパトロール事業を開始。新事業強化のため担当者を採用したことにより、IT関連商品の売上げを伸ばしていく。14年には、従業員のモチベーション向上のために10年ビジョンを発表。グループ売上目標は、現状の10倍の50億円。グループ売上総利益15億円。社員給与福利厚生業界ナンバーワン。グループ会社10社。その他に、給与制度の見直しや、新規主力商材の追加、社員満足度向上などが挙げられた。

働きやすさのために テレワーク制度も導入

15年、聖博さんは社長に就任すると、新しいビジネスを創出しなければという気持ちばかりが急いていた。そんなとき、チームメンバーの一人が体調を崩し、休職することがあった。
「今まで私は目先の売上げばかりにとらわれていました。しかし、働く現場に笑顔がないといけないと気付かされました。社員満足度が向上すれば、お客さま満足度は向上し、業績はおのずと向上するはずです。幸せの好循環を生むことで、全ての満足度がつながっていく仕組みづくりが必要でした」

そこで聖博さんは、新たな経営理念“「働く」に笑顔を!”を発表、一人一人のより良い人生を実現するため、3つのテーマのベストバランスを追求することを宣言しました。

  • 仕事のやりがいと誇り
  • プライベートの充実
  • 会社の永続的発展の追求

価値観を共有して事業戦略を浸透させるため、全社員と個人面談を行い、個人単位の事業戦略方針書を作成した。

また、これまでの事務用品やOA機器を販売するレッドオーシャン事業から、中小企業向けのワークスタイル体験を提案するブルーオーシャン事業へシフト。より良い働き方を提案するためには、自社が見本となるべく実験に取り組んだ。

まずは環境改善として、ブランド要素の設計を始めた。それに伴って自社ビルの外観、エントランスにブランド要素を意図的にあしらった。カタログなどツールも一貫性のあるものに変更。社内はフリーアドレスのデスクやKPIボードの設置、採光を工夫した空間に変更した。

またハード面だけでなくソフト面の改善も積極的に行なった。医療支援制度を導入し、年間20万円までの医療費を支給。分かりやすく公平な人事考課制度も作成した。

さらに、場所と時間にとらわれず働くことのできる在宅ワーク(テレワーク)システムを導入した。きっかけは、インフルエンザで1週間ほど会社を休まなければならない社員がいたときだった。少ない人数体制の業務では、一人の欠員が大きな影響をもたらす。

そこで試験的に導入を試みたところ、通常業務でも非常に効果を発揮する可能性が判明。介護や育休、産休の女性などが隙間時間を効率よく活用することで生産性の向上が見込めたからだ。導入から1年半、テレワークシステムにより残業削減成果は、昨対で残業51.8%減、売上げ10.6%増、荒利益17.6%となった。中小企業でのテレワーク導入はまだ事例が少なく、メディアからの取材も入って企業のイメージアップにもつながった。

昨今、人材不足に苦しむ企業も多いが、多様な働き方や働く環境を重視することで採用にも良い影響を及ぼしている。16年には、初めて新卒採用にも成功した。

採用には、従業員全員の意見が反映される。採用が決まった5人の共通点は、採用条件ではなく理念やビジョンに共感したことだという。入社前より従業員とチームを組み、月一度、一年間かけたコミュニケーション活動が始まる。内定辞退者ゼロ、入社後退職者ゼロで、現在も活躍中だ。さらに、17年来春卒業予定の大学生らの希望就職先ランキングで地元有名企業を抑え12位にランクイン。中途採用の求人も1.8倍にもなっている。

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テレワーク活用による残業削減効果は、数字にしっかりと表れている。自社のノウハウを持って提供し導入・運用・活用をサポートする

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テレワークの導入は子供の病気や親の介護だけでなく、外勤社員にとっても隙間時間の有効活用につながった

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出勤・退勤の管理もオンラインで行うことが可能だ。自動集計することで業務効率化が図れ計算ミスなどの問題解消にもなる

トライ&エラーを繰り返し 常に新しい情報を伝える

しかし、テレワークを導入したら、事務用品やOA機器の売上げは伸び悩んでしまうのではないだろうかという疑問が浮かぶ。聖博さんは「テレワークにはICT導入が必要不可欠です。より良い働き方の環境を提案することで、ハードの導入は可能です。それにオフィスがなくなることはありません」という。

中小企業では、ICTに関するそれぞれの担当者がさまざまな業者に分離発注し、使い方の不便さなどにより活用されないことが多々ある。そこを、協力業者とのアライアンスでオールインパッケージにした。無理な値引きを必要としなくなったこともあり、荒利益は同業他社の1.5倍ほどとなった。

新しいICT商材を進んで取り入れて自社で運用し、評価・改善を繰り返す。失敗は投資として考えることができる。こうして、自社の成功事例を商品として開放したショールームが「ワクスマ」なのだ。

昨年のワクスマ来社実績は363社にもなる。そのうち案件化数は63.1%、229社。受注件数(来社1カ月以内の受注)が88件と、来社数からの受注率24.3%、案件からの受注率38.4%となった。集客担当による結果の差異はほとんどなくワクスマに集客することで、この確率を受注することが可能となった点も重要なポイントだ。

常に新しいシステムを導入しているため、来社のたびに変化があるのも特徴だ。説明では伝わりにくかったものが、来社することで一目瞭然となった。これまでは「買う・売る」の関係だったが、経営課題に対する改善策を「教えてほしい・教える」の関係に変化した。物販業からコンサルティング業へと業態を変化させたのだ。

今後、これらのビジネスモデルをパッケージ化してFCで全国に広げることを目標としている。営業マンの力量で売上げが大きく左右されていた業界の仕組みを変え、来社してもらえば案件化できるモデルを提示していく予定だ。新卒を採用したことで、それらを実証していくことが可能だ。

また、さらなる飛躍のために「B to B with E」を目標に掲げた。企業の向こう側にいる従業員が本当の顧客であると考え、従業員の笑顔をつくるサービスづくりに徹底的に取り組む方針だ。「成功の反対は失敗ではありません。失敗とは挑戦しないことです」と聖博さん。これからも、働く人の笑顔のために新たなる挑戦をし続けていくことだろう。

P51 左上別枠 私のブランディング実践

ワクスマは「働く」に笑顔を生む 働き方改革のショールームです。

石井事務機センター 石井聖博社長

人材不足は多くの企業が抱えている問題です。良い人材が来ない、すぐに辞めてしまうなど、さまざまな悩みがあることでしょう。しかし、良い人材が採用できないのには、それなりの理由があります。私も従業員が多く辞めてしまう時期を経験しましたから、「うちのような会社には良い人材は来ない」と思っていました。

それが、働き方を改革することで驚くほどの変化を味わいました。分かりやすく、しっかりと経営理念を伝えることで、社の方針に合った人材がやってきます。ですから、理念やビジョンを浸透させることに一番の時間を要します。そうすることで、内定辞退や離職率は確実に減ります。

また、個人の力量に任せる飛び込み営業は、今の時代に合っていません。しかし、新規客を獲得することは必要です。そこで、会社がすべき業務として取り組むことに変えたのです。それが「ワクスマ」です。

同業で広報事業を持っている会社は多くありません。事業内容を伝える役割がいないのです。マンパワーに頼った営業では、その個人の方針が社の方針であるかのようになりがちです。会社としての方向性を分かりやすく伝えるためにも「ワクスマ」は重要な役割を果たしているのです。

1979年岡山県生まれ。大学卒業後、キャノン㈱に入社。退社後、2006年に四代目として㈱石井事務機センター営業部に入社。12年に常務取締役に就任。15年社長交代に伴い、経営理念をつくり直し事業定義を「笑顔あふれるワークスタイル創造提案業」に変更

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内定者は入社前からチームの一員として、月に1回ほどコミュニケーション活動に参加する。活動内容は張り出され全体共有される

(取材・文/小高朋子)

企業概要
企業名/㈱石井事務機センター
所在地/岡山市南区福浜町15‐10
代表者/石井聖博
設 立/1911年
年 商/5億5000万円
従業員数/31人(うち内定者5人含む)

中小企業のブランディング実践
“創業精神”を源泉とする 愛ある“理念”と英知ある“戦略”

ファーストデコ 扇野睦巳

時代の変化は年々スピードを増し、今後ますます不確実性の時代に突入すると言われています。大企業はもちろん中小企業においても、イノベーションこそが成長の源泉であると言われて久しくなります。

しかしながら変革の方法は無限大にあり、意思決定を間違えると企業やブランドの消滅を招くことは周知のとおりです。また、多くの中小企業が地方圏に立地しているため、「近隣市場の規模が小さい」「産業インフラに乏しい」「景気回復の動きが遅い」などの各種のハンディキャップがあり、厳しい状況の中でイノベーションを収益化する必要に迫られています。

経営者の思いを元に 経営理念を体系化する

中小企業は日本の全企業数の99.7%、全従業者数の69.7%を占め、東京、大阪、名古屋を除く地方圏に立地する企業に限ると、企業数で99.9%、従業者数で85.2%という極めて高いウエイトになり、その地域における雇用吸収センターになっています。

一方で、2014年の東京商工リサーチによると企業の平均寿命は23.5年となり、4年ぶりに短縮。原因は、10年未満の企業の倒産が増加したためと分析されています。したがって、地元住民の雇用に大きく関わり、協力業者や取引先も地元企業が多い地方の中小企業は、地方創生を左右する存在であるため、永続するためのブランディングが必要です。

ブランディングを設計する上で、その会社らしさを軸足にどのようなイノベーションを起こすかが重要になります。中央大学ビジネススクールの田中洋教授は、「ブランドはイノベーションのなれの果て」と例え、「すごいね!」の繰り返しが人々の心にポジティブなブランドをして根付いていくと言われています。したがって、情報過多の中でいかに「意図的に狙った人たち」から驚きや共感を持って振り向いてもらうか否かがブランディングの鍵となります。

こうした観点から私は、愛(philein=ギリシャ語で「愛する」)のある理念、英知(sophia=ギリシャ語で「知恵」)を集めた戦略の融合が中小企業のブランディングに適していると考え、オリジナルメソッド「フィロソフィブランディング」に取り組んでいます。

では、中小企業はどのように未来を描けばいいのでしょうか。まずは、創業の精神を紐解くことから始めます。

創業の精神とは、「創業者がなぜ起業しようとしたかという創業者の思いと、創業後に体験して得た商売戦術のための知識や、さまざまな危機を乗り越えながら醸成された創業者自身の人生観が蓄積し、時間と共に深化していく、経営理念構築の前段階に形成される暗黙知」です。これは、その会社が「なぜこの世に存在するのか」「どんな価値観を大切にしてきたのか」「どんな価値観を大切にしてきたのか」「変わらない価値は何か」という会社のDNAにあたる部分になります。この「創業の精神」を明文化してから経営理念、経営ビジョン、ミッション、事業ドメインというように体系化しながら考察していきます。

経営理念とは、経営者の理想の思いであり、その会社の意思決定時に判断基準となり得るものです。その理想の思いは逆境時に巡り合うものが多く、経営者がどん底にいるときに、「地の底から見上げた理想の景色」を明文化したものであるともいえます。

理念体系とは、創業の精神をベースに、経営理念、経営ビジョン、ミッション、事業ドメイン、教育理念や人事理念、行動規範を体系的に定めたものであり、各企業によって名称や定める項目の種類はさまざまですが、ブランドの在り方であるブランド・アイデンティティも含めてすべてが創業の精神を源泉として一貫性のあるものでなければなりません。(図表①)。

P53 左上 図表①「創業の精神」がすべての源泉

創業の精神>経営理念>経営ビジョン>ミッション>ブランド・アイデンティティ>社是>教育理念>人事理念>行動規範

高くても、遠くても 「選ばれる理由」を育む

さて、多くのライバルがいる中で、「高くても買う」「遠くても行く」というように選ばれるためには、消費者の心の中に特別な愛着をつくることが大切です。私は、ブランディングを「愛着づくり」と定義していますが、地域に密着している中小企業だからこそ、地域から愛される企業になるために社会的価値づくりがこれからますます重要になります。

社会的価値づくりは創業の精神を拠りどころに、その会社にしかできない社会貢献をインターナル・ブランディングの中で従業員と共に考察し、実験的に進めていきます。インターナル・ブランディングとは、実践を通じて従業員に理念の共感浸透を図り、会社や事業に対する愛着をつくる内向きのブランディングです。

インターナル・ブランディングの後、企業認知度や商品イメージを向上させるエクスターナル・ブランディングを実施し、内向きと外向きそれぞれのブランディングの整合性をとりながら、従業員と顧客の間で愛着を醸成し、多くの「ありがとう」が飛び交う場を創るインタラクティブ・ブランディングを実践していきます(図表②)。

P53 左側真ん中 図表② 3つのブランディング

  • インターナル・ブランディング…社内向けの内的価値向上のための活動
  • エクスターナル・ブランディング…企業認知度や商品イメージを向上させる活動
  • インタラクティブ・ブランディング…顧客との価値共創や共走(寄り添い)によって「ありがとう」が飛び交う場づくりのための活動

企業-従業員-顧客の間で整合性をとる

ブランド・マネージャー認定協会が主催する「2017年度ブランディング事例コンテスト」で大賞と中小企業特別賞の二冠を受賞した石井事務機センター(48ページ)の100年前の創業時は、当時貴重だった紙を町中から集めて製本し、ノートとして販売したというところが原点でした。以来、提供してきた変わらぬコトは、オフィスで働く人たちの作業の効率化支援とし、時代に応じて筆や墨から文房具、そして事務用品からOA機器、オフィス家具やICT機器へと提供するモノを変化しながら信頼を築いていました。

新規事業ブランド「ワクスマ」の中のオプションに、仕事の効率化のための5S活動があります。その一環で回収した不要になった文房具をどう活用するのか、まだ新品同様なのに廃棄物にしていいのかという問題がありました。

そこで新入社員で編成した「リシイ・プロジェクト」を発足。創業の精神を彼らなりに解釈し、文房具が欲しくても買えない人たちに使ってもらうことはできないかというアイデアが生まれ、岡山出身の元マラソンランナーの有森裕子さんが主宰する特定非営利活動法人ハート・オブ・ゴールドを通じて、カンボジアの子供たちに寄付をする運びになりました。

ハート・オブ・ゴールドは、「スポーツを通じて国境、人種、ハンディキャップを超えて希望と勇気の共有を実現」することを理念に掲げカンボジアの子供たちに支援活動しており、その企画を相談したところ快諾。2017年11月6日に新入社員が中心となって贈呈式を行い、その模様はテレビや地元経済誌、地元新聞にも掲載されました。

こうした理念体系に沿って実施する小さな社会貢献の積み重ねは、少しずつ従業員の幸福感をつくり上げ、周囲から「すごいね!」と言われることにより、まずは従業員の会社に対する愛着づくりや理念の浸透につながっていきました。

小さくてもキラリと輝く愛される企業になるためには、独自の社会貢献の地道な積み重ねが大切であり、競争優位の源泉は、愛のある理念に基づいて育成された人材にしか生み出せないと考えています。

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業務の効率化を目的とした5S活動で顧問先から集まった新品同様の文房具。カンボジアの子供たちのためにプロジェクトメンバーが選定し、贈呈する

 

 

 

 - メディア掲載